金融市場をかく乱するサブプライム問題とアメリカ消費社会の底流
昨年以降、乱高下を繰り返す世界の株式と為替市場。株式が暴落し円高(ドル安)に振れるたびに持ち出されるキーワードが、「サブプライムローンの焦げ付きによる金融不安と信用収縮」です。 2006までの世界経済は、経済発展を続ける新興国と「借金をして活発な消費活動をする」アメリカ社会に支えられ絶好調でした。そして、そのアメリカ社会の消費(=借金)を支えてきたのが、サブプライム(低所得者向け)住宅ローンと「さらなる借金」を可能にしてきた住宅価格(=不動産担保価値)の高騰だったのです。低所得者層でも「借金をして家を買う」ことができるサブプライム住宅ローンによって、住宅関連の消費が活発化し、不動産市場も盛り上がる。そして、不動産市場が盛り上がれば住宅価格も上がり、住宅ローンの担保となっている不動産の価値が上がるため、その上昇分を担保にさらに「借金」をして次の消費が生まれる・・・。アメリカ社会は、こうした好循環で活発な消費活動を展開し、新興国も含めた世界市場はそのアメリカにものを売ってドル(外貨)を得ることで外貨準備高を積み上げながら経済成長を続けました。 アメリカ住宅価格のバブル化が指摘され、実際にアメリカの不動産市場に天井感が強まってきたのは、2006年辺りだったでしょうか。 どう考えても「持続可能性」などあり得ないアメリカの借金を前提とした消費社会は、なぜここまで拡大したのか。そして、各種デリバティブで証券化されたサブプライム債券に染まり信用収縮の連鎖が止まらない金融市場はどうなるのか。ここでは、サブプライム問題の背景と経緯をまとめて行きたいと思います。 サブプライムローン問題関連ニュースクリップ |