外国為替証拠金取引(外貨FX)

レバレッジとスワップ、為替変動で収益を

外国為替証拠金取引とは、外貨FX、通貨証拠金取引などとも呼ばれ口座に一定の証拠金(保証金)を積み、その証拠金の数倍以上の外貨を取引できるハイリスクハイリターン型の外国為替取引です。口座にある証拠金の何倍まで外貨を取引できるか(レバレッジ)は、外貨FXを扱う業者によって異なりますが、通常は10-20倍程度、中には最大100倍、という業者もあります。たとえば、ある業者では1000豪ドルの取引に8000円の証拠金が必要です。簡単のため1000豪ドルを大体80000円くらいとすると、8000円の証拠金で1000豪ドルの取引をするということは、約10倍のレバリッジをかけて取引していることになるわけです。
当然、レバレッジが高くなるほど為替変動による損益も大きくなり、100倍だと1%のマイナス変動(買いポジション時の下げ、売りポジション時の上げ)で証拠金をすべて失うことになります(通常は、その前に強制ロスカットで損が確定する)。逆に、1%思惑通りに動いた時点で決済すれば倍になって戻ってくるわけですから、外貨FXは資金効率という点で見れば、極めて高い、ということになります。

外国為替証拠金取引は、取引コスト(基準レートと売買価格の差であるスプレッドと取引手数料の合計)が安いのも利点ですね。
外貨預金では、外貨を買うと買う時と売る時にそれぞれ1米ドルに対して50銭から1円、安い銀行でも25銭程度の為替手数料がかかりますが、外貨FXではスプレッド3銭に手数料5銭相当、さらには10000通貨単位なら取引手数料無料(スプレッドのみ)という業者もあります。その上、外貨FXでは24時間リアルタイムの取引が可能ですから、ある程度まとまった外貨を買う場合は、外貨預金より外貨FXの方が圧倒的に低コストで取引もしやすいでしょう。レバレッジをかけない(取引する外貨に見合う証拠金を入れておく)取引なら、外貨預金と同等のリスクでより有利な取引ができます。
ただ最低1000通貨単位からの取引となるため、コツコツと買い増して外貨建ての資産を形成していくような使い方には向きません。

また、外貨FXでは高いと思う通貨を売ることで、対象通貨の値下がり局面でも利益を狙う、あるいは外貨建て資産の目減りに対するリスクヘッジとして使うこともできます。たとえば、アメリカに米ドル建てで物を売って、その米ドルの受け取り(決済)が数ヵ月後になる場合、その間に米ドルが暴落し、円ベースでの受け取り額が目減りする可能性があります。その場合は、予め外貨FXで入金予定額分の「ドル売り円買い」ポジションを持っておけば、その時点の取引レートで円を受け取れるわけです。
そして、米ドルが入金されたら、その米ドルをそのまま、あるいは一度円転してからドルを買い戻せば、取引完了。手数料相当(+証拠金調達とポジション維持)のコストと円転する場合はその取引の間の為替変動リスクはありますが、為替変動に対するリスクヘッジとしては悪くないでしょう。

なお、外貨FXの広告で高金利(好金利)のスワップポイントを前面に出している業者もありますが、少なくとも目一杯レバレッジをかけた状態で金利を追求するのは得策とは限りません。確かに、レバレッジ効果で「証拠金に対する金利」は、「豪ドルの10倍買い」なら年率にして50%程度にもなるのですが、外国通貨取引においては金利より為替変動の方が遥かに大きいので、金利目的で証拠金を大きく上回るポジションを維持しようとしても為替変動による評価損に耐えられず損切りせざるを得なくなるか、マージンコール/強制ロスカットの憂き目にあうのがおちでしょう。
外貨FXで金利収益を狙うなら、証拠金を十分に積んでおくべきです。そして、外貨FXの取引手数料の低さや多様な注文条件という利点を活かして機動的にポジションを切り替えリスク管理をしましょう。

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