キャリートレード

キャリートレードとは、低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨を運用すること。キャリートレードによって低金利の通貨を借りその通貨で高金利の通貨を購入した場合、為替変動がなければ「金利の差」の分、利益を得られる。最近は、円やスイスフランで米ドルやオセアニア通貨を調達するキャリートレードが行われている。
たとえば、円の金利が年1%、豪ドルの金利が年5%で推移した場合、10000円を借りて10000円相当の豪ドルを購入、1年間保有し、また円に戻した場合を考えてみる。借りた円に対しては1%、100円の金利を支払うことになるが、借りた円で購入した豪ドルからは5%、500円相当の利息を得ることができるため、その差額の400円がキャリートレードによる利益となる(実際には為替相場の変動もある上に、為替コストがかかる)。

金利差に目をつけたキャリートレードはヘッジファンドが大規模に仕掛けてくるため、金利差が拡大すると高金利通貨が一段と上昇しやすくなる。近年、円の超低金利が続いたため、円を売って米ドルや豪ドルを買うキャリートレードの残高が積みあがり、今後円の金利が上昇に転じ逆にアメリカが利下げ局面に入った際の波乱要因(円の急騰、米ドルの急落)になるでは、とも指摘されている。

外貨FXで低金利通貨を売って高金利通貨を買う(円売り豪ドル買いのポジションを持つなど)のもキャリートレードといえる。ただし、為替取引では一般に金利差による損益(外貨FXではスワップポイント)よりも為替による損益の方が大きくなるため、外貨取引においては金利にとらわれず為替損益も含めた総合的な損益を十分検討すべきであろう。特に高金利通貨は、利上げがとまり利下げに転じると積みあがったキャリートレードの買いポジションが一気に崩れストップロスを巻き込みながらの暴落相場となる可能性があるため、注意が必要である。

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